お酒は二十歳になってから? という議論は正しく行われなければならない
■はじめに
ゲスの極み乙女。のボーカルの川谷絵音が未成年者と飲酒していたとか何とかいう話が、テレビやネットで取り上げられていました。そんな中、たまたま目にしたのがこちらの記事です。
慶應義塾大学の未成年者の飲酒に関するニュースは知りませんでしたが、この二つのニュースに関連して、現在の日本では二十歳までは飲酒が禁じられているということに対して意見を述べられた記事です。
■違和感?
この記事の書き手は、前述の二つのニュースに違和感を感じたらしく、「未成年が飲酒をしてしまった程度でどうしてここまで大きな問題に発展してしまうのか?」という感覚のようです。
記事の中から少しばかり引用させていただきます。
言葉が強くなってしまって申し訳ないけれど、たかが飲酒で当の本人たち以外にも被害が及ぶなんて理解に苦しむ。
今回の件においてゲスの極み乙女のメンバー、スタッフ、彼らの活動を応援したファンにまで被害がある。(心的なことも含めて)
ミス慶應に選ばれたファイナリストたちやミスコンを楽しみにしていた観客にも被害がある。
どうして未成年の飲酒でこんな大きな問題になってしまうのか?
この書き手は、ご本人がtwitterで行ったアンケートで回答者の約7割が、未成年の頃に自分の意思で飲酒したことがあるという結果や、日本以外の国では18歳から飲酒を認めている国が大多数であることを引き合いに出しています。
■筆者の違和感
ちょっと過剰な反応なのでは? 程度の意見発信に留まるものならまだしも…その後の記事の内容を拝見すると、160件程度のtwitterのアンケート回答を論拠にするのは、少し乱暴と思いました。
そして、筆者が最も違和感を感じたのは「未成年の飲酒なんてほとんどの人がしてるじゃん!」⇒「外国でも18歳以下で飲酒が解禁される国が大多数だ」⇒「飲酒解禁年齢を引き下げるのは世の流れ」という、短絡的な理論展開です。
記事の書き手の表現力・訴求力の不足によるものだとすれば恐縮ですが、筆者には「赤信号、みんなで渡れば…」的な論調に感じました。
■本来的には非常に難しい問題
あらためて言うと、筆者も20歳になる前に飲酒を経験していますし、それも一度二度ではありません。今思うと、酒を飲んで何かやらかすことがなくて、本当に幸運でした。以降の内容は、当時から何年も経ったから思えることかもしれませんが…。
イッキ飲みによる急性アルコール中毒は、命に関わる場合もあります。酔っ払った状態での迷惑行為や乱暴に繋がることもあります。飲酒運転は、被害者の命を奪ってしまう場合もあります。いい歳の大人がこんなことをやらかすと、社会的にアウトになりわけですが、これが未成年だとどう扱われるのか? ということだと思います。
飲酒が心身に与える影響は、発育度合いにもよるでしょう。高校を卒業してすぐに働きはじめる方もおり、社会の一員になるタイミングも人それぞれです。そんな中で、飲酒解禁の公的な年齢をどこに置くかというのは、本来的には非常に難しい問題だと思います。
自分の子供が未成年で飲酒運転をして、他人さまの命を奪うようなことがあったら…。あるいは逆に、自分の子供が未成年が飲酒運転した車に命を奪われるようなことがあれば…。といったことまで想像すると、なかなかこうは短絡的な考えにはならない気がします。
■さいごに
飲酒がいつからOKかというのは、なかなか難しい議論だと思っています。もちろん、いろんな意見を持つ人がいても不思議ではありません。
冒頭に紹介した記事から、この記事の結びの文章を再び引用させていただきます。
未成年の飲酒程度でこれだけ一大事になってしまう日本は「本当に先進国なのか?」と疑問さえ感じてしまう。
このような事態がもう失くなるように国は迅速に飲酒年齢を引き下げを行った方がいい。
ちなみにぼくは飲酒を16歳から解禁でいいとおもっている。
みなさんは今回の件についてどうおもいますか?
わっしょい!
記事の書き手のプロフィールを拝見すると、今年30歳を迎えるプロブロガーの方だということです。筆者はそれを見て、この国は飲酒解禁年齢を引き下げるには、まだ未成熟なのかな…という気もしました。