懐かしの「マイコン」の思い出と魅力的な名機たち
■はじめに
読者登録させていただいている「てらかっぱ」さんのブログで、こちらの記事を拝読しました。
「こんにちはマイコン」!懐かしいですね!筆者の家にもありました。兄が買ったものだったか、筆者が買ってもらったのか、なにぶん30年以上も前のことで、記憶が定かではありません…しかし、何度も繰り返し読みましたので、内容は記憶に残っています。
てらかっぱさんの記事の中では、当時としては珍しいCG技術を使った映画「トロン」の紹介ページの写真が掲載されていましたね。そんなページがあったことは、確かに覚えています。
■兄が買ったPC-8001
筆者が小学校3年生ぐらいで、まだファミコンすら発売されていない頃でした。そんな中、マイコン熱にやられたのが、当時は高校生だった筆者の兄でした。「マイコンでゲームをしたい!」という想いが高じたようです。
アルバイトで稼いだお金に、親からの援助もあったようですが、ついにNECの国民的マイコンのPC-8001を購入しました。購入ルートは筆者は詳しく知りませんが、中古品だったのは確かです。筆者にとっては「高くて謎な機械」で、勝手に触ってはいけないものだと認識していました。
■マイコンとBASIC言語
windowsはもちろんのこと、MS-DOSが登場するよりさらに前の話です。この時代のマイコンは、BASIC言語というプログラム言語を搭載していました。同じBASIC言語でも、各社各機種ごとに仕様が異なっており、同一メーカーのマイコンでも、機種が違うとプログラムの互換性がないことが普通でした。
当時はマイコン雑誌にBASIC言語で作成されたゲームのプログラムリストが掲載されており、それを自分のマイコンにキーボードから打ち込むのが一般的でした。少し複雑なゲームだと、プログラムリストは何百行に渡るものもありました。プログラムですから、少しでも入力を誤ると正しく動作しません。一つゲームをするにも、大変な労力が必要だったのですね。
■雑誌掲載プログラムとカセットテープレコーダー
最初の頃は、兄が「マイコンBASICマガジン」など雑誌に掲載されていたPC-8001用のゲームプログラムをポチポチと打ち込んでは動かして遊んでいました。最初は隣で見ているだけでしたが、そのうちに筆者もプログラム入力を手伝ったりするようになりました。プログラムの意味は全く分かりませんでしたが…。
当時のマイコンにはハードディスク装置などはありません。マイコンの電源を切ると、せっかく苦労して入力したプログラムも綺麗さっぱり消えてしまうのでした。フロッピーディスク装置は超高価な器機であり、手の届かない存在でした。カセットテープレコーダーを使い、カセットテープに保存するのが唯一の手段でした。
■市販のゲームを楽しむ
前述の通り、当時はカセットテープが一般的な記憶媒体でした。いろいろなゲームプログラムがカセットテープに収録して販売されていました。兄も雑誌の掲載プログラムに飽きたらなくなると、市販のゲームを購入して楽しむようになりました。
当時はマイコン雑誌ぐらいしか情報源がないため、購入してみるまでどんなゲームなのか分かりません。マシンの能力を最大に引き出した名作もあれば、中には全く意味不明なゲームもありました。下記で画面ショットを掲載したスクランブル、クレイジークライマー、ファンファンはいずれも名作でした。
スクランブル
ファンファン
容量の大きなプログラムだと、カセットテープからロードするに何十分も掛かるものがありました。読み込みに失敗することもあり、その場合はやはりプログラムは正しく動作しません。何をするにも苦労が多かったのです。
■プログラムも覚えてみました
兄は意外に飽きっぽい性質です。しばらくすると、マイコン熱も冷めてきたのか、他のことに興味が移ったのか、マイコンを使う頻度が減っていきました。筆者も最初は、兄がいる時にちょいちょいと触らせてもらう程度でしたが、この頃になると、勝手に電源を入れて自由に使うようになっていました。
BASIC言語の文法を覚えて、簡単なプログラムを書けるようになると、どんどんマイコンを触る時間が増えていきました。ちょっとしたゲームが作れるようにもなりました。恐らく、他愛もないレベルのものだったと思いますが…。本気で自作のプログラムをBASICマガジンに投稿してみたいと考えていましたが、小学生にはいろいろハードルがあり、もちろん実現はしませんでしたが。
■個性的で魅力的な名機たち
PC-8001はとにかくグラフィックとサウンドの能力が弱い機種でした。隣の芝生は青く見えたのかもしれませんが、マイコン雑誌の記事や広告を見ると、個性的かつ魅力的なマイコンがたくさんありました。
PC-6001
NECのPC-6001は、PC-8001が弱かったグラフィックとサウンドに力を入れ、ホビー用途を意識した機種でした。価格は抑えめな一方、キーボードのボタンなどは少し貧相でした。ちなみに「こんにちはマイコン」の中で使われていたのはこのPC-6001でしたね。音声合成の機能を搭載した後継機種(PC-6001mark-Ⅱ)なんかも発売されました。
PC-8801
同じくNECのPC-8801が、PC-8001の上位後継機にあたります。グラフィック性能が圧倒的に高くなり、漢字を扱うこともできました。その性能を活かし、PC-8001では実現不可能な多くのゲームが次々と発売されていき、非常に羨ましく感じてたものです。NECの主力モデルとして、後継機種も数多く発売されました。
MZ-80B
シャープが発売したMZ-80Bは、小型のモノクログリーンCRTのディスプレイとカセットテープレコーダーが一体になったモデルです。そのフォルムがとにかく格好良かったのです。
X1
シャープのX1は、テレビチューナー内蔵のディスプレイとセットで構成されているのが特徴です。テレビの画面とマイコンの画面を重ねて表示する「スーパーインポーズ」という使いどころが良く分からない機能が印象に残っています。
ぴゅう太
トミー(現在のタカラトミー)からは、ホビーユースを強く意識した「ぴゅう太」という機種が発売されました。ゲーム機にBASIC言語環境とキーボードをくっ付けた感じのマシンでした。特徴の一つは日本語BASICですね。ただ、BASICのコマンドをカタカナの「カケ」「マワレ」に置き換えたぐらいのものでしたが…。