「育成」はいつの世も難しい! 人生には回り道も必要?
■はじめに
誰でも会社勤めやアルバイトを始めた時は新人ですが、いつまでも新人のままでいることはできません。いずれは後輩が入ってきて、彼・彼女たちの育成を任される立場になっていきます。
たいていの会社では、いつの間にか「上司」と呼ばれることになり、「部下」と呼ばれる存在が登場します。そして、望む・望まないに関わらず、その「部下」と呼ばれるものの育成責任を負わされることになっていくものです。
■本当は育成なんてしたくない
本当のところ、自分の仕事を自分のペースでやるのが一番気楽なものです。たとえば、箸にも棒にもかからないような部下を3人あてがわれ、育成責任なんて都合の良い言葉で面倒を見させられることもあるわけです。そうして、自分も含めて4人分のパフォーマンスを求められても、それは無理な話というものなのです。ご勘弁いただかなければなりません。
しかし、そもそも育成ってどういうことなのでしょうか?
いくせい【育成】
立派に育て上げること。
(大辞林 第三版)
今度は「立派」という言葉が出てきました。
りっぱ【立派】
①非常に素晴らしいさま。非常にすぐれているさま。
②堂々としているさま。
③非難する点のないさま。十分であるさま。
(大辞林 第三版)
言葉の意味は分かりました。非難する点のないぐらい、非常に素晴らしいく堂々とした状態に育て上げることのようですね。ドラクエ3で例えると、遊び人3人を全ての呪文をマスターした賢者まで育てるようなものですか。レベル20で転職できるとは限りませんが…。
だいたい、自分だって戦士並の「かしこさ」と「すばやさ」、魔法使い並の「ちから」と「たいりょく」しかないのですから、彼らを引き連れたまま野垂れ死にすることは必至です。
■仕事を任せる?
さて、現代はインターネットを使えばたいていのことは解決します。ちょいちょいと調べてみましょう。
「仕事を「任せる」とは「相手を信頼する」ことです。」
なるほど、信頼ですか…。信じて頼るわけですね。10を聞いて1を知る。意見を聞いてみると10個のうち8個は間違っている。そんな可愛い彼・彼女たちを信じて頼れというわけですか? そんなストレスの溜まることはできませんので、自分で片付けてしまう方が精神衛生上好ましいのです。
■褒める? 叱る?
褒める要素があれば褒めますとも。さあ、気持ち良く褒めさせてください。どうか、気持ち良く「ありがとう」「おかげで助かった」なんて言わせてください。なのに、なぜいつも彼らは叱らなければならない状況を作り出すのでしょうか? わざとやってますか? 宗教上の理由でもあるのでしょうか?
■成功体験?
「成功体験を重ねることで自信がつき、やり甲斐や仕事をする楽しみを覚えながら、部下は育っていくのです。」
分かります。仰ることは良く分かります。そのとおりだと思います。ちなみに、人数分のコピーが上手くとれたら成功体験になりますか? 添付ファイルを忘れずにメールできたら成功体験になりますか?
■さいごに
たまにはこんな記事を書いてみたくなることもあるのです…。しかし、さいごに真面目な話をすると、回り道にも2通りあるのだと思います。すなわち、意味のない「無駄な」回り道と、意味のある回り道です。全く回り道せずに最短コースで歩き続けていける人がいたら、たとえ今は後輩であろうが、部下であろうが、付いていきましょう。あなたが育成に頭を悩ます必要はいっさいありません。
育成とは、いかに意味のある回り道をさせてあげることができるか、ということではないでしょうか。意味のある回り道には、人間が成長するためのいろいろなエッセンスがあるのだと思います。具体的な方法は、いまだに良く分かりませんけどね…。